「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.134 「根強いチャングム人気」

在宅が増えて韓国ドラマを見る人が増えているが、ジャンルとしての時代劇を見ると、10数年前の作品であるが、『宮廷女官 チャングムの誓い』が今も根強い人気を得ている。まさに、韓国テレビ史に残る傑作だと言える。

当初は非難されたチャングム

『宮廷女官 チャングムの誓い』の主人公になっているチャングムは実在した女医で、「朝鮮王朝実録」(朝鮮王朝の正式な歴史書)には「長今(チャングム)」として登場する。記述があるのは合計しても10カ所ほどなのだが、そのいくつかを紹介しよう。
最初は、1515年3月21日の記述に出てくる。朝鮮王朝実録は「医女の長今は功績があったので当然のごとく褒美を受けるべきだが、問題が起こって未だに褒美をもらえない」と書いている。ここで言う「問題」の中身については、翌日にこう記された。「医女である長今の罪は大きい。産後に王妃の衣装を替えるとき、それをしないでおくとは、どういうことなのか」

これは、かなり厳しい非難である。この記述に出てくる王妃とは、11代王・中宗(チュンジョン)の正室の章敬(チャンギョン)王后である。中宗との間で長男を出産したのだが、その直後に亡くなっている。このとき、王妃のそばで治療に当たっていたのが長今であり、「朝鮮王朝実録」の記述によると、彼女は王妃の衣装を替える際に不手際をおかしてしまったようである。
普通なら処罰を受けてしまうところだろうが、長今に関する記述はその後にも出てくる。経験を積むに従って腕を上げたのである。
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  • 2020.10.17