「コラム」連載 康熙奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流Vol.15「キム・ユジョンの女優魂」



2018.04.14

『トンイ』でハン・ヒョジュの子供時代を演じたときのキム・ユジョン(右)

『雲が描いた月明り』での演技が好評を博したキム・ユジョン。子役から大人の女優に成長して、すばらしい存在感を見せている。そんな彼女の発言を聞いていると、「強い覚悟を持った女優」という印象が強く残る。

まさに天才子役

2008年に韓国で公開されて大評判になったのが映画『チェイサー』だった。内容は、10数人を殺害した極悪人と追撃する元刑事の物語だ。
公開当時に見てその出来に感心したが、10年近く経ってからDVDで見直して驚いた。気が強い子供が何度も登場して大人を食うほどの演技を見せていたのだが、それがキム・ユジョンだった。
「あのキム・ユジョンが幼いときにここまで演技をしていたのか」
そう思うと感慨が深かった。なにしろ、『チェイサー』は全編に暴力とホラーが入り交じった特異な作品だ。そんな「危ない」映画に幼い女の子として出ていたキム・ユジョン。堂々たる演技力は、まさに天才子役だ。
彼女が芸能界に入ったのは4歳のときだった。
「母が私の1歳の誕生日の写真をインターネットにあげておいたのを偶然見た関係者にスカウトされたのです。あのときは何も知らずに、ただ母に連れられていただけです。口数も少なく人見知りな性格だったので、最初は演技するのもそんなに面白いとは思っていませんでしたが、成長しながら演技に対してもいろいろと考えるようになりました。俳優としてもっとがんばらなければ、と思うようにもなって、だんだん自分の意志で演技をするようになったんです」
最初の頃に出演した映画が『親切なクムジャさん』。拉致された子供の役だった。
「大人の俳優があまりにも怖くてセリフも言えずに、ただ泣いていたそうです。監督が『もう大丈夫。やるだけやったからこちらへ来なさい』とおっしゃいましたが、私はカメラの前に立って、言うことを聞かなかったとか。もっとやりたいから、と。それで監督が『君は欲張りだな』と言ったそうです」
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