「コラム」連載「康煕奉(カン・ヒボン)のオンジェナ韓流」Vol3 イ・ジュンギは時代劇に革新をもたらす俳優!

限界を作らない

あれは2004年のことだ。
私が編集長をしていた韓流雑誌でイ・ジュンギをインタビューしたことがあった。まだ『王の男』に出る前でイ・ジュンギの名前はそれほど知られていなかった。
彼には特別なマネージャーもおらず、ほぼ1人で日本で活動しているような状態だった。少しでも名前を知ってもらいたいということで、インタビューも彼自身の売り込みだった。そんな下積み時代でも発言の中身は感心するほどしっかりしていた。
イ・ジュンギは「誰かのような俳優になりたいとは思っていません」とはっきりと言い切った。
「この世界には多くの先輩俳優がいて、それぞれが自分のカラーを持っています。そうした先輩たちのいい部分をひとつずつ学んでいきたいと思っていますが、特別に誰かを目標にするのではなく、自分が不足している部分を補っていきたいという気持ちです」

「いつも学びながら努力していきます。目標は特に決めていません。目標を決めると、限界を作ってしまうからです」
重ねて言うと、この発言は2004年でまだ俳優として名前が知られていない時期のものだ。いわば、初心表明とも受け取れるのだが、当時の発言に現在のイ・ジュンギの真髄がすでに見えていると思える。
「自分で限界を作りたくない」
その気持ちが、時代劇に革新をもたらす原動力になっている。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

2018.01.06