「コラム」パク・ボゴムがイ・ヨンを演じた『雲が描いた月明り』の重要な歴史解説!

誰が実在したのか

『雲が描いた月明り』には、キム・ホンという領議政(ヨンイジョン/総理大臣に該当する)が登場する。
このモデルは、金祖淳(キム・ジョスン)だ。
金祖淳は純元王后の父である。
つまり、孝明世子にしてみれば、母方の祖父だ。
金祖淳は、たしかに王以上に強い権力を持っていた時期がある。それは、『雲が描いた月明り』で描かれたとおりだった。


また、『雲が描いた月明り』には、趙萬永(チョ・マニョン)の娘が登場してイ・ヨンと一度は結婚する。
彼女は実在した人物であり、実際に孝明世子の妻であった。王になるべき夫が早世したので、彼女は王妃になれなかったのだが……。
さらに、キム・ユジョンが演じたホン・ラオンは洪景来(ホン・ギョンネ)の娘という設定だった。
この洪景来は、1811年に大々的な反乱を起こした人物だ。それは、「洪景来の乱」という大事件に発展したが、彼はそのときに殺害されてしまった。それは、歴史上の事実として記録されている。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

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康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化・社会や、日韓交流の歴史を描いた著作が多い。主な著書は『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。

2017.12.10