「合同インタビュー」大ヒット映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」ヨン・サンホ監督、コン・ユの熱演を絶賛「演技のトーンが素晴らしかった」

2017.09.04


-主人公のソグは、家庭を顧みない父であり、前半は自分と娘だけが助かればいい、という考えで、良い人に描かれすぎていないのが、とてもリアルでした。主人公を含め、キャラクターの人物像を作っていくのに、こだわった部分などを教えてください。
主人公をどんな人物にしたらいいのか、ゾンビ映画におけるストーリーラインはどうしたらいいのか、ということを考えたとき、頭に浮かんだのが、父親が変化していく過程を見せる、是枝裕和監督の「そして父になる」だったんです。「新感染」でも世代論を描きたかったので、ソグは社会の発展、成長ばかりを考えている世代の代弁者にしようと思い、ファンドマネジャーという職業にし、妻とは別居中で、家庭を顧みない忙しい父親という位置づけにして、キャラクターがどんどん変化していく様を見せたいと思いました。
でも、「新感染」はアクション中心の作品なので、「そして父になる」のように父親が変化していくエピソードをたくさん盛り込むのが難しかったんです。なので、それを見せるために、ソグと対比させる人物としてヨンソク(キム・ウィソン)を設定しました。ヨンソクは、悪へと変わっていくので、2人を対比させることによって、ソグの変化を見せられるかなと思いました。あとは、コン・ユが演技で、ソグの変化をしっかり見せてくれました。
-主人公のソグ役に、コン・ユさんをキャスティングした理由を教えてください。
韓国には、若い父親を演じられる俳優がそれほど多くないんです。イメージとして、父親役はやらないという俳優もいますし。ソグ役は、基本的にスターでなければいけないし、スターの中で、そういう役ができる俳優というと限られてきてしまい、なかなか見つけるのが大変だったんですが、コン・ユはすでに、「トガニ 幼き瞳の告発」や「サスペクト 哀しき容疑者」でも父親役を演じていたので、父親役に拒否感がありませんでした。僕が考えていたソグ役とも一番近かったので、シナリオを送ったら、2、3日に以内に連絡がきて、本人と会ったら、20分後ぐらいにはやります、と返事をしてくれたので、かなり早く決まりました。
-先ほど監督も、変化していくソグの感情をコン・ユさんがしっかり表現してくれたとおっしゃっていましたが、監督のほうから演技指導や注文したことなどはありますか?
最初の撮影で、僕のほうでも考えていた演技があったので、話をしようかなと思っていたんですが、撮影に入ってみたら、僕がイメージしていたものよりも、コン・ユが見せてくれる演技のトーンのほうがいいなと思ったので、これといった注文はしませんでした。公開前、本人にも話しましたが、俳優によってはいろんなタイプの俳優がいて、一種のテクニックを使って演技を見せる俳優もいますが、コン・ユの場合は、彼が見せてくれるイメージ、演技のトーンだけでも、いい俳優だなと思ったので、これから年を重ねるにつれ、ますますいいイメージを持つ俳優になるのではないかと思います。


-「ソウル・ステーション」で声優を務めたシム・ウンギョンさんが、「新感染」にカメオ出演されましたね。韓国公開時、第一感染者役がシム・ウンギョンさんだということに気付かなかった、という観客が多かったようですが、カメオ出演のいきさつを教えてください。
「ソウル・ステーション」が終わった後、僕が「新感染」を撮っているということをシム・ウンギョンが知って、端役でもいいから出演したいという申し出があったんです。それで、第一感染者の役をお願いしたいと言ったら、とても喜んでくれて。出番は少なかったんですが、2カ月ぐらいトレーニングをしてから、撮影に臨んでくれました。韓国でも、シム・ウンギョンが出ているという情報がなかったので、気付いた方もいたんですが、気付かない方も多く、彼女が出演しているということで話題になりました。
-監督の最新作「念力」にもシム・ウンギョンさんとチョン・ユミさんが出演されていますが、監督から見て、2人の女優の魅力とは?
まず、2人にはとても感謝しています。チョン・ユミは「念力」で、比重はそれほど大きくないんですけど、悪役を演じています。いままでのイメージとは全く違う役なんですが、見事に演じてくれました。チョン・ユミは直感的なものが優れていて、現場で無理な要求をしても、すぐにその場でやってくれる女優なので、とても感謝しています。シム・ウンギョンも「新感染」で素晴らしい演技を見せてくれましたが、彼女は努力家ですね。どんなに小さなセリフでも、しっかり理解して、きっちり練習しないと不安に思うところがあり、そのために、たくさんの努力を重ねる女優です。

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