「コラム」なぜ朝鮮王朝を舞台にした時代劇は面白いのか/後編

朝鮮王朝の基盤を作った王

寵愛する神徳(シンドク)王后に懇願されてやったことであって、王朝を長続きさせようとするならば、やってはいけない指名でした。一番世子にふさわしかったのは五男の芳遠(パンウォン)でした。芳碩を世子にしたのは太祖の失敗であり、彼がいかに王朝を存続させようという気持ちがなかったかの表れです。
結局、芳遠は腹違いの弟を殺して、後に自分が3代王・太宗(テジョン)になりましたが、彼が朝鮮王朝の基盤を作ったことによって、518年も続いた長い王朝になったと思います。
次に、15代王の光海君(クァンヘグン)について触れましょう。


朝鮮王朝でも、燕山君(ヨンサングン)と光海君がクーデターで王位を追われており、『悪い王様だったから追い出された』というイメージがありますが……。
確かに、燕山君は暴君ですが、光海君は違います。彼は、中国大陸との関係で巧みな外交を展開しました。

(3ページにつづく)

2017.01.29