女優パク・シネ、男優を大きく見せてくれる小さな巨人

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SBSの月火ドラマ「ドクターズ」は、終映を迎えて最終回の20話で20.2%の視聴率をあげて憂愁の美を飾った。スタートから始終同時間帯での1位を守ってきたこのドラマは、ユン・ギュンサンとイ・ソンギョンを新しいスターに押し上げたのと同時に、2011年に軍除隊後の復帰を前にして風俗店の女性従業員への暴行事件でイメージに大きな打撃を受けたキム・レウォンに新しい全盛期を準備したという収穫を得たと言ってもいいだろう。パク・シネという「小さな巨人」の存在感が土台となった時、どんな相乗効果が出るかを再度見せてくれたという解釈ができる。

平日のミニシリーズの主な視聴層は、10代から40代の女性だ。特に「ドクターズ」のようなロマンスの要素をマーケティングポイントにしたドラマはいっそうそういった要素が強い。それで男主人公が視聴率の半分に責任を持つと言っても過言ではない。
キム・レウォンは、19話の最後に女性視聴者の胸をときめかせた。典型的な「白馬に乗った王子」のキャラクターをうまく消化した彼の熟練の演技と生まれながらの魅力をアピールしたとしたら、パク・シネは目立たないながらも自身のポジションをしっかり守って、キャラクターに忠実な相手役として選ばれたといえる。

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「ドクターズ」は、ある女子高にユ・ヘジョン(パク・シネ)が転校してきてストーリーが始まった。母親の死と父親の再婚でひねくれたヘジョンは、唯一したっている祖母と一緒に住むためにこちらに来たのだ。祖母の家には、担任の先生であるホン・ジホン(キム・レウォン)が下宿をしていた。
そして、ヘジョンが医者になってそこでジホンと再会する。そしてふたりのロマンスが始まった。
この一律の数学の方程式のようなドラマが、視聴者の心を刺激する原因は誰が何と言ってもジホンとヘジョンのわざとらしいが美しいと言わざるを得ない愛のストーリーだ。

この単純で先がはっきりと予測できる筋書きと装置は何度も繰り返されてきたストーリーだという感じを与えるが、決して幼稚ではなく真摯なのだ。 そしてその底辺には、年より幼く見えて、親指の爪が美しくないというコンプレックスを持ったパク・シネの個性であり魅力がパターンとなっている。
SBSの「相続者」でパク・シネは、イ・ミンホとキム・ウビンとの三角関係を演じた。多分このドラマのチャ・ウンサンのキャラクターが、パク・シネが演じてきたキャラクターの中でも一番の価値を見せてくれただろう。タン(イ・ミンホ)とヨンド(キム・ウビン)は、それぞれ心に傷を抱いて生きている金持ちの息子だが、ウンサンはひどく貧しい「下女」のような身分だ。なぜなら母親がタンの宮廷のような家に居候しながら24時間フルタイムで働く家政婦だからだ。

それにもかかわらず結局「めかけの息子」であるタンと、祖母のせいで幼くして母親と別れたヨンドの心の傷を癒してくれたのはウンサンだった。
SBSの「ピノキオ」も、特別大きな違いはなかった。マスコミのイエロージャーナリズムに父親の名誉が汚された衝撃で、母親は自殺して兄は犯罪者になったダルポ(イ・ジョンソク)に、それでも世の中はやさしく人生は美しいということを教えてくれたのがイナ(パク・シネ)だった。

視聴者にイ・ミンホがどうして最高の韓流スターなのかを再度認識させ、キム・ウビンという素敵な新人がいるということを新たに悟らせ、彼らと肩を並べることができるイ・ジョンソクという俳優がいたことを確認させてくれた張本人が、まさにパク・シネだった。

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現在の男主人公は、身長が180cmを越える。先ほど述べた3人の男優が186から187cmだ。彼らより小さいというソン・ジュンギも178cmだ。それで女優の身長も170cmを越えるか、それに近くなければならないというのが演出者など製作サイドの考えだ。2000年代初めの全盛期を開いたチョン・ジヒョンが174cmに近いので、それらはすでに既成の事実となった。
パク・シネの身長は168cmだが、実際はそれより小さく見える。数値の真実如何にかかわらず男たちの身長があまりにも大きいからだ。確かにパク・シネは、男たちの保護本能を刺激して、女性達には白馬に乗った王子様に救われる幻想を夢見させてくれる強いパワーがある。

ジホンとヘジョンは9歳の年の差がある師匠と弟子だが、ジホンがひざまずいてプロポーズをした時からヘジョンが彼をたしなめるような仲に変化した。ヘジョンを叱って訓戒して人生と学問を教育したジホンが、ヘジョンに対しては身動きできないほどに従順な羊のようになった。
パク・シネがドラマの中で演じるキャラクターは、まさに完成への最短距離だ。「星から来たあなた」のチョン・ジヒョンのように高慢であるとか神秘的でもなく、「過速スキャンダル」のパク・ボヨンのようにただキュートなだけでもなく、キュートで女らしいが、非現実的ではないビジュアルとキャラクターが、ドラマや映画を通じて最高に現実的な欲望を満足させてくれる。

2016.08.26